この本のテーマについて「はじめに」の中で著者がこう述べています。
「本書の中心にあるテーマは『自尊心をどう高めるか』ということである。」
そして、こう続けています。
「自尊心とは何か。簡単に言うと、それは自分を好きになり、他人と同じように自分も素晴らしい人生を創造するに値する人間だと信じる気持ちのことである。」
この本には、自尊心を高めるための方法が項目ごとに列挙されています。ですから、どこから読み始めても良いような構成になっているのですね。
例えば「第1部 自分を好きになる」の中の「自分に寛大になる」については
- 自分を許す
- 自分の長所にだけ意識を向ける
- したくないことは はっきりと断る
- いやなことを言う人は相手にしない
- 地位や財産で人を判断しない
- たくさん失敗して、たくさん学ぶ
- 自分のまちがいは堂々と認める
- 自分の気分に責任を持つ
- 自分をけなさない
こういうふうに、全部で100項目の方法が提示してあります。
書いてあることは、おそらく当たり前のことです。新しい視点ができた、というものではないかも知れません。
けれども、100項目もの言葉が並ぶと、著者の狙いの「自尊心」について高まってくる気がしてきます(笑)。
実行すれば、それはその人の習慣となり、人格形成にも役立っていくのでしょうが、実行しなければ、清涼飲料水のような一過性の「気持ちよさ」で終わってしまうかも知れません。
こういう類の本は、いつもそうですね。
ひとつひとつの項目に、自分の実践録が添えられるような、そういう読み方ができればと思いました。