「やなせたかし 明日をひらく言葉」

 

尊敬するやなせたかしさんの本です。

この本はやなせたかしさんが書いた本のなかから、PHPが「明日をひらく言葉」選びぬいて、それを編集したものです。

 やなせたかし 明日をひらく言葉 PHP研究所編集

 

ですから、章立てを眺めるだけで、やなせたかしさんの優しさがにじみ出てくるようです。

 

第1章 愛情と育ち方 ―ぼくはこんなふうに生きてきた

第2章 仕事と運風雲 ―続けていれば、あるとき目の前の席が空く

第3章 希望とよろこび ―幸福は日常の中にそっとかくれている

第4章 正義と善悪 ―アンパンマンは倒すより助けるヒーロー

第5章 子どもと個性 ―力が足りないなら、ゆっくり走ればいい

第6章 いのちと生き方 ―人生にムダはひとつもない

 

 

まえがきの文章で、心に残った箇所がありました。ちょっと長いですが、そのまま引用します。

 

「人生の最大のよろこびは何か?

それはつまるところ、人をよろこばせることだと思った。「人生はよろこばせごっこ」だと気づいたとき、とても気が楽になった。

ぼくの歌の中で代表作のように言われている「てのひらを太陽に」の一節は、「生きているからかなしいんだ」である。よく「なぜ悲しいんですか」と聞かれる。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。空腹のときに食べるラーメンがどんなにおいしくて、幸福なのかは実感できない。ぼくらはこのさびしげな人生の中で悲喜こもごもに生きるのだ。そして一番うれしいのはひとをよろこばせることだ。」

 

こういう時、ああ、誰それの、あそこの、あのことと一緒のことを書いてあるというのは、良くないのかも知れませんが、けれども、敢えてそうしたいと思ったのは、この文章でやなせたかしさんが表現している「よころばせごっこ」というのは、お釈迦様が説いた「抜苦与楽」そのものなんだと思って、感動したからでした。

あんまり難しいことを言わずに、「私の人生の目的は人をよろこばせることです」とシンプルに言い切れる人って、清々しさと力強さと簡素さを同時に内包させている、奇跡のような人だと思います。

 

ここまで書いていて、ふと思い出しました。いましたね。そんなヒーローが。

それが、アンパンマンでした(笑)。

 

 

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