いわゆる「倒叙(とうじょ)推理小説」でした。
倒叙ものとしては、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」が有名ですね。
倒叙ミステリーというのは、まず、最初に犯人が登場します。
前半では、主に犯人の視点で物語が展開し、事件が起こります。
犯人は完全犯罪を計画していますから、それがうまく成功したかのように見えるのです。
当然、読者は手の内を知っているわけです。
そして、後半。今度は警察や探偵の捜査が始まります。犯人を追いつめ、アリバイを崩し、犯行を暴いて事件を解決するのです。
なぜ「倒叙」というのかというと、通常の推理小説では、最初に事件が発生しますね。そこへ警察や探偵が登場します。
彼らの捜査が進行していくうちに、事件の全容が明らかにされ、最後に犯人を追いつめて解決します。
順番が逆になっているので、「倒叙」というのですね。
やはり、イメージとしては刑事コロンボや古畑任三郎です。犯人を追いつめていく心理戦には毎回ドキドキするものです。
さて、この本は全4話からなる短編集です。
登場するのは(つまり、犯人は)警備会社社長、脚本家、漫才師、玩具企画会社社長。
どの作品も面白い!
シリーズ化されているようなので、ほかの本も読んでみたいと思いました。
おすすめです。