ゴジラばかり観ていては、スタッフにも呆れられるから…という理由でもないのです。
「ボーン」シリーズは以前から大好きなので、是非とも映画館で観たいと思っていました。
(ゴジラを引き合いに出したのは、私がすでに複数回のリピーターとなって伝道師となっているからです(笑)。)
変な前置きになってしまいましたが、日曜日に「ジェイソン・ボーン」を観てきました。
前作の設定を引き継いでいるため、ストーリーに意表を突くことができないという制約があります。
同じ「アクション&ミステリー」のカテゴリーでしたら、007やミッション・インポッシブルなどがありますが、それらは毎回「敵の組織」の設定が自由です。
「今度の敵はもっとすごい!」とか「史上最悪の状況」というのが作り出せます。
「ボーン」シリーズがきついのは、敵はいつもCIAなんですね。
それだけでも、「アクション&ミステリー」としての企画・脚本家さんたちの苦悩がわかる気がします。
平井和正さんが、かつて「サイボーグ刑事(8マン)をつくったのは良いが、設定が強すぎて敵がいない」とインタビューに答えていました。
ゴジラにしても、強すぎて、とうとう敵がいなくなってしまい、「ビオランテ」(ゴジラ細胞とバラの融合)「メカゴジラ」「スペース・ゴジラ」など、とうとうゴジラ自身が敵になってしまいました。
今回の「ジェイソン・ボーン」を観て思ったのは、彼が身につけている訓練された知略の高さ、敏腕さが、前作までの大きな魅力のひとつだったと思うのですが、さすがに息切れしてしまったような気がしました。
観客としては敵の力量が戦う前に量れてしまうのです。それは前作までのシリーズを丁寧に作ったからに他ならないからですが、これは製作する側としては大変だっただろうなと同情してしまいました。
けれども、やはり今回もアクション映画として、優れた映画だったと思います。
続編が出れば、きっとまた観に行きます。
ところで、「ボーン」シリーズ4作目の「ボーン・レガシー」が一言も触れられていなかった気がします。同じ時系列のアナザー・ストーリーだったと思うのですが、難しかったのでしょうか。