「ズッコケ熟年三人組」

偶然の一致だったので、私にとって感慨深いものがありました。

 

今年発刊された「ズッコケ熟年三人組」です。

jyukunen ズッコケ熟年三人組  那須 正幹著

あのズッコケ三人組の「ハチベエ」「ハカセ」「モーちゃん」がとうとう50歳になって、このシリーズも完結となってしまいました。

 

リアルタイムなら、実は彼らは私と同い年ということになります。

 

1978年にスタートした小学生版「ズッコケ三人組シリーズ」は、2004年に「ズッコケ三人組の卒業式」でいったん完結となっていました。

20年以上も小学生だったのですから、サザエさん方式で歳をとらない主人公たちなのだと思っていましたが、2005年に40歳になった三人が「ズッコケ中年三人組」として復活しました。

復活後は1年に1冊のペースで1歳ずつ年齢を重ねて、今年で50歳です。

社会の情勢に責任を持って対峙しなければならない年齢ですし、人との関わりも変わっていきます。

けれども、三人組はいつまでもやっぱり三人組でした。

 

以下は著者である那須正幹さんのあとがきの引用です。今回で完結だという理由を述べたものです。

「さらに言えば、この国の行く末である。

わたしが子ども版の三人組を書くにあたって、常に心に描いていたのは、彼らが平和と民主主義の申し子だということだ。彼らがあれだけ自由に活躍できたのも、ひとえに日本が平和で民主的な国柄だったからで、これは中年版にも言えることだ。

ところが戦後七十年続いてきた平和で民主的なこの国に暗雲がかかり始めたのである。果たしてこの先、何年「戦後」であり続けられるか、はなはだ心もとないものを感じている昨今なのだ。

もしかすると「戦前」となるかもしれない時代に、とても三人組の物語を書き続ける気になれない。というわけで、本シリーズは、これをもって完全におしまいということにする。もしかのもしか、熟年シリーズを期待されていた読者の皆さんには、まことの申し訳ないが、そういう事情をお汲み取り下さい。」

 

soreike それいけズッコケ三人組 (ポプラ社文庫―ズッコケ文庫)

 

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