長時間透析研究会について、例年、私が個人的に楽しみにしているセッションがあります。
「患者様からのメッセージ」です。
今回は島根県と栃木県のお二人のお話を聞くことができました。
以下はそのうちのお一人の抄録からの引用です。この方は自ら臨床工学士として、透析患者としての体験談としての発表をされていました。
「現在でも多くの施設で週3回4時間の透析が根拠も無く「標準」とされ、その透析量に疑問を持たないまま漫然として透析医療が提供されています。
現在はまだ患者自身が「より良い透析」を求めて貪欲にならなければ、余程運の良い患者を除いては十分な透析が受けられず、多くの体調不良を抱えつつ少ない透析量で生きていかねばならない状況です。
本来であれば、患者自身が苦労して施設を探さなくても、どの施設でも質の高い十分な透析を受けられるようになるのが理想だと思っています。
また、透析医療が患者の社会復帰を支援するものである以上、十分な透析量を確保する事により、体調不良や、透析の苦痛をなるべく少なくできるようにするべきだと考えています。」
心に深くとどめておきたいお話でした。