表紙の絵の懐かしさのままに、思わず手に取って読んでしまいました。
ポプラ文庫クラシックとして復刻していたのですね。
文庫版サイズですが、嬉しいことに物語中の挿入画も当時のままです。
小学生の時に、初めて積極的に読破しようとした少年探偵シリーズです。
当時は月に一度、屋富祖大通りにあった上江洲書店に父と2人で通っていました。
父は趣味のカメラの月刊誌が目当てでしたが、私は月に1冊だけお小遣いでこのシリーズを買うのが楽しみでした。
裏の駐車場に車を停めて、書店に到着すると、真っ先に2階の本のコーナーに行って背表紙を見比べて買う本を選びます。
ハードカバーの表紙を手でさすりながら、真新しい紙とインクの匂いが嬉しくて、はじめはパラパラとページをめくるだけでした。
なぜか、そういう細かいシーンは覚えているのですが、どうして学校の図書館の本で満足していなかったのかが不明です。
図書館にはいつも誰かが借りていて順番が回ってこなかったというのもあったのでしょうか。
もしかしたら、気に入った本(後にムツゴロウさんの本とか、平井和正さんの本とか)を収集するクセがついてしまったのは、この少年探偵シリーズの影響なのかも知れません。
明智小五郎と怪人二十面相の対決。
小林少年と少年探偵団。のちにはポケット小僧に代表されるチンピラ別働隊も登場します。
彼らが持っている七つ道具には、当時、胸をときめかせたものです。
子ども向けだとあなどるなかれ、今読んでも、十分面白いです。
トリックがどうとかというよりも、読み物として夢中になります。
今思うと、小学生だった私たちにとっての、今で言うなら「ハリー・ポッター」のようなものだったのかも知れませんね。