仔鹿と母鹿 イソップ寓話より

イソップ寓話に「仔鹿と母鹿」というお話があります。

 

昔むかしのこと。

仔鹿が、母鹿に言いました。 

「お母さんは、犬よりも大きいし、敏捷で、駆けるのも、とっても速い。その上、身を守るツノだって持っている。それなのにどうして、そんなに猟犬を怖がるの?」 

 母鹿は、微笑んで答えました。 

「お前の言うことは、みな、その通りだとわかっているよ。

だけど、でも母さんは、犬の吠えるのを一声聞いただけで、卒倒しそうになるんだよ。」 

 

このお話には「どんなに説得しても、臆病者には勇気を与えられない。」という教訓が付いています。

 

けれども、それに加えてこのお話は、声が大きくて我が強い人に利用され、攻撃に耐えている人に対しての喩えでもあると思っています。

 

臆病である背景には、自分のことを軽く考えてしまっているというベースがあります。臆病者は自信がありません。ビクビクしています。

自己評価が過小ですし、もしかしたら自分のことを軽蔑していることがあるかも知れません。さらに進んで自己嫌悪にも似た感情を持っているかも知れません。

 

しかし、世の中には相手を蔑み攻撃しながらも「まだ足りない」と不満を感じる攻撃的な人(このお話の猟犬)がいます。

 

理不尽な攻撃の対象にあってしまうのが、この母鹿のような人なのですね。

そのような人は自信を持つことが必要です。強くなって、自己評価を高めて、自分の感情や欲求に正直になることが大切です。

 

自分が変われば相手が変わるというのは、本当です。

母鹿が精神的に自立すれば、猟犬は母鹿を自分の思い通りにできないということがわかります。

新たな関係ができあがるはずです。

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