機会に焦点を合わせる

 
 経営者の条件 P.F.ドラッカー著

この本ほど、タイトルが邪魔している本はないでしょうね。

「経営者」だけのための本ではないですし、いわば人生哲学の本です。

 

この本の中にこんな文章があります。

 

「優先順位の決定には、いくつかの重要な原則がある。

第一に、過去ではなく未来を選ぶ。

第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。

第三に、横並びではなく独自性をもつ。

第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。

挑戦の大きなものではなく容易に成功しそうなものを選ぶようでは、大きな成果はあげられない。

膨大な注釈の集まりは生み出すだろうが、自らの名を冠した物理の法則や新たなコンセプトは生み出せない。」

 

この文章は何度も読んでいましたが、実はその度に軽く読み流していました。

意味がわかるまで勝手にスルーしていたのです。

 

ここで言われている問題とは結果のことです。

問題の処理は確かに重要ですが、それだけにかかりっきりになると目前の損害を防ぐだけにとどまってしまいます。

それでは結果に振り回されるパターンを脱することはできませんね。

相手が放ってきたボールを必死になってキャッチングする感じです。

機会に焦点を合わせるというのは、自分がピッチャー・マウンドに立ってボールを投げる側になることだと思います。

 

ですから、過去に起きたことをあれやこれやと反芻するのではなく、これから起こる未来に対してできることを選択していく姿勢を保つこと。(第一のこと)

過去で起きて現在に影響している問題に焦点を合わせるのではなく、チャンスにスイッチすること。(第二のこと)

 

例えば、2人の旅人が道を歩いていると想像してみてください。

1人は、道が悪路だったことを嘆き、分岐点の選択を間違えたんじゃないかと考え込みながら、歩く。やっていることは思考の反芻。

もう1人は、歩いてきた道よりもこれから歩く道に集中する。靴を新調し、お弁当を持ち、あらゆることに準備していく。

同じ歩くということに関して、これだけの違いが出てきます。

 

実は、「健康」に対する私たちの行動もこうでありたいと思うのです。

健康とは、「健康な状態」をビジョンに描き、未来に向かって行動することだと思います。

 

 

 

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