「あそびの冒険」をはじめとして、松田道弘氏が著したマジック関連の著作は私たちマジックファンの心をはげしく揺さぶってくれます。
この本は1974年に出版された、その松田氏の処女作ということです。
長く絶版だったのが「復刊ドットコム」のサイトで復刊の候補本にあがっているのを見つけました。
2005年のことです。私も復刊リクエストを投票し、その年に入手することができた思い出深い本です。
この本は、技法を必要とする、いわゆるクロースアップ・マジックの名作(ただしカード・マジックは含まない)を紹介してくれています。
そして、全11回におよぶ「演出のポイント」というコラムが勉強になります。
例えば、〈演出のポイント4〉の「自然であれ(BE NATURAL)」というコラム。一部を引用して紹介します。
コインを本当に左手に渡したときと同じ自然な形に近づけるーこれが近代技術の理論です。
不必要な動作、ムダな動き、意味のない動作、余計なやらなくてもいい改め(証明)を取り除こうとします。
自然であれ、ということは、もうひとつ、Be Yourself(あなた自身であれ)ということでもあります。いいかえればあなた自身のパーソナリティに忠実であれ、ということです。
これは何にでも通用するお話ですね。
Be Natural !
Be Yourself !
自然な態度がいちばんなのだと思います。