肝に銘じていたいこと

禁煙外来や糖尿病や生活習慣病の外来診療の際に肝に銘じていることがあります。

それはその状態を受けいられず、現実から逃避してしまっている患者さんに対してです。

「甘いものがやめられない」と言ったり、「お酒の休肝日ができない」と言ったり、診察室での会話が言い訳で終始してしまう方たちがいます。

「しようがなかった」ということをアピールしているのですね。

 

けれども、そういう方たちも等しく「よくなりたい」と求めているのだということを医療者は忘れてはいけないこと。

 

そういうと「よくなりたい」って思わない人などいるものかとお思いになるでしょうね。

当たり前のことのようですが、医療者はそれを忘れてしまいがちになるのです。

「Aさんは、もう!いつもそうやって言い訳ばかりして、どんどん病気も悪くなっていくじゃない!」

そういう気持ちが心を占めてしまって、「しようがない人」「よくなりたいと思っていない人」というレッテルを貼ってしまうのですね。

 

ただ定期的に外来に来てくれる人は、何かのきっかけで良くなっていくことがあります。

医療者は概して早急に結果を求めがちです。

けれども、人には人のペースがある。

1年後、3年後、5年後のAさんと付き合う覚悟で、見守っても良いのです。

 

以前に私に話してくれた90歳台の女性の言葉が今も心に残っています。

「先生、そうあわてなさんな。」

あの時のニカッと笑った笑顔が忘れられません。

 

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