なじみが薄いとは思うのですが、19世紀のアメリカにサム・ロイドという「パズルの王様」がいました。
天才とも称されていたのは、ロイドがつくったチェス問題がはじめて新聞に掲載されたのが14歳の頃で、16歳には「チェス・マンスリー」という専門誌の編集者に任命されていたからです。
彼はチェスだけでなく、数多くの商業的な数学パズルを創作しました。
いわゆる誰もが解けそうで解けないビジュアルなパズルの先駆者で、当時の人々を夢中にさせたそうです。
彼の発案したパズルはどこかで見たことがあるかも知れませんね。
代表作には、「仔馬のパズル」や「トリック・ドンキー」などがあります。
今日は「トリック・ドンキー」を紹介します。
ロイドが10代の終わりの頃に描いたもので、彼はこのパズルで数週間のうちに1万ドルを稼いだといわれているそうです。
下の図をご覧ください。線の通りに切り取って3枚の絵に切り分けてください。
下を向いているロバ(ドンキー)が描かれた2枚の絵と、対称的にさかさまに描かれた騎手の絵1枚になります。
ここから問題です。では、2人の騎手を2頭のロバに乗せてください。ただし、絵は折ったり曲げたりしないでください。
パソコンなら実際にプリントアウトして、挑戦してみることをおすすめします。
なんでこれがパズルになるかというと、実際にやってみると下のようになるからです。まず3枚に切り分けて並べます。
騎手の絵を上に乗せて、ロバに合わせようとすると下のようになります。
騎手の間隔がせまいので、その距離に合わせると、一方のロバの絵が一方を覆いかくしてしまうのです。
意外に難問です。楽しみながら解いてみてくださいね。
解けた時の喜びは格別だと思いますよ。
解答はこちらに準備しておきます。 → 「トリック・ドンキー」の解答