薬の語源

弓道の原点とされる「四巻の書」という本を読んでいます。まだ途中ですが、読んでみるとなかなか面白い記述が多いですね。

例えば、薬の語源についてもこの本の中にありました。

 
 四巻の書 弓道の原点 武田巧太郎編著

 

薬の語源は「奇妙(くすし)」という言葉に由来しているのだそうです。つまり「奇妙(くすし)」の力を発揮することから、くすりというようになったのだとか。

はるか昔に薬師仏が生まれて薬ができ、その薬によって病を癒す人のことをも医師(くすし)と呼ぶようになりました。

従って当時の医者は自らをして薬師如来として崇めたのだそうです。

 

『太平記』の中に「医師評定の事」という記述があり、こう伝えているそうです。

 

禅僧が深夜仁和寺にいたところ、天狗たちが虚空を漂い来て、目の前の六本杉の梢にならび話しはじめた。

数日後、足利直義の北の方(妻)が病気になり、多数の医師を集めたが病名はわからなかった。

遅れてやってきた嗣成は禅僧から聞いた仁和寺での不思議な評定を思い出し「男の子が生まれます」と言った。

それを聞いた者たちは口々に「40歳をすぎて初めて懐妊することなどあるものか」と否定したが、その後、天狗の話の通りに男子が生まれた。

 

この文は「医師(くすし)は突拍子もないことを言うかも知れないが、ただ信じることだ」ということを伝えているのだそうです。

 

もしかしたら、遠い昔から医者は常日頃から「突拍子もないこと」を言っていたのかも知れないですね。

そう考えると、少し複雑です(笑)。

 

 

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