「勿体ない」

今日は「勿体ない」のお話。

 

「勿体ない」という言葉は、もともと仏教用語からきているということを聞きました。

何気なくつかっていましたが、ふと考えてみると「モッタイナイ」というのは、当然ながら「モッタイ」と「ナイ」の二つの単語でできた言葉ですよね。くどいようですが「モッタイ」が「ナイ」状態です。

では「勿体」ってなんでしょうか?

 

「勿体」を「大辞林 第三版」で引いてみました。

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つまり、勿体(もったい)と物体(ぶったい)は本来同じものなのだというのです。今さらながら、そういえば「うしへん」があるかないかだけの違いですね。

 

そして、モノの本来あるべき姿のことを勿体というのだそうです。

 

そういうことで「勿体ない」というのは、モノの本来あるべき姿ではないことを惜しみ、残念に思う気持ちを表しているのでした。

「勿体ない」というのは、不完全な状態ともいえます。本来おさまるところにおさまらずにはみ出した状態ですから。

リサイクルやエコ運動などのキャッチフレーズとしても使用される「MOTTAINAI」。

本来の姿に戻す作業をしていくという意味でも、奥が深い言葉ですね。

 

ただし、次に示す「勿体ない」はあまり使わない方が良さそうです。

例えば、高校野球でノーアウト満塁のチャンスの場面。そこでスクイズ失敗。

テレビの前の応援団たちは、一斉に「うわあ。もったいない!」と嘆きます。

「この場面だと1点ぐらい取るのが、『本来の姿』。取って当然!」だと思っているのですね。

「もったいない。もったいない。」といつまでも尾を引かせてはチャンスもしぼんでしまいます。

そういう「もったいない」は早めに忘れて、気持ちを切り替えたいものです。

 

 

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