アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書) 岸見一郎著
この本の中にアドラーが好んで使用したという寓話のエピソードがありましたので、紹介しますね。
元ネタはイソップ童話のようですので、聞いた方もいるかも知れません。
二匹のカエルの話があります。
二匹の蛙がミルクの入った壺のふちのところで飛び跳ねていました。
突然、ミルク壺に落ちてしまいました。
一匹の蛙は、ああもう駄目だ、と叫んで諦めてしまいました。そしてガーガー泣いて何もしないでじっとしているうちに結局溺れて死んでしまいました。
もう一匹の蛙も同じように落ちたのですが、しかし何とかしようと思ってもがいて足を蹴って一生懸命泳ぎました。
すると足の下が固まりました。ミルクがチーズになったのです。それでピョンとその上に乗って外に飛び出せました。
このお話を紹介した著者の岸見一郎氏は、次のように述べています。
問題はすぐに解決することはないかもしれませんが、深刻になることはありません。
深刻であるということと、真剣であるということはまったく別のことです。
人生を楽しみたいと思うのであれば、真剣でなければ楽しむことはできません。
「真剣でなければならないが、深刻になることはない。命まで奪われることはないのだから。」
医者になったばかりの頃、先輩のドクターにそう励まされたことがあったのを思い出しました。