「かいじゅうたちのいるところ」

映画「かいじゅうたちのいるところ」をビデオで観ました。

1963年出版のモーリス・センダックの絵本が原作です。

まずはストーリーから( Wikipedia からの引用です。)

マックスはやんちゃな8歳の少年。近頃、姉は遊び相手になってくれず、シングルマザーの母は仕事や恋人に気を取られているように思え、不満と寂しさを募らせていた。ある夜、マックスはオオカミの着ぐるみ服を着て、母に逆らって外に飛び出し、目の前のボートで海へと漕ぎ出した。

航海の先にたどり着いた島にいたのは、大きな角や牙を持った「かいじゅう」達だった。その一人キャロルは、仲間のKWが出て行った事に腹を立て、自分達の小屋を壊して暴れていた。突如現れたマックスを食べようとするかいじゅう達に対し、マックスはとっさに自分を「王様」と宣言。その途端KWも戻ってきて、キャロルは喜んで「王様」を迎え入れる。そして皆が一つになれる理想の王国を作る事を目指し、マックスは様々な提案をする。

しかし、意気投合したかに思われたかいじゅう達も、それぞれ思いや悩みを抱え、事態は思わぬ方向に…

 

そこ「かいじゅうたちのいるところ」は、少年マックスの心の奥底を現象化した世界です。

少年は皆かいじゅうを住まわせている…と言ったら、かっこいいのですが、寂しいのか悲しいのか矛盾に満ちた愛情表現だったり、調子に乗り過ぎてしまう危うい破壊願望、そして、話しているうちに嘘か現実かわからなくなってしまう自己顕示欲…。

自分でもどうしたら良いかわからない人間関係。(自分の思い通りにならない他人。)

悲しくて愛おしい少年の精神世界が、映画として表現されています。

意図的なのか、マックスの成長記録ではありません。

ぐちゃぐちゃな心が葛藤し、翻弄され、傷ついた心が、平穏を取り戻すまでの記録映画のようなイメージです。

「あ~あ。そんなことしたら…。そうなっちゃうよな~。」

少年の心と言いながら、実は同じような心の風景を大人の私たちも持っているのかも知れません。

そういう意味では大人のための映画です。

 

ちなみに、原作の絵本「かいじゅうたちのいるところ」は、王様となったマックスがかいじゅうたちと一緒に「かいじゅうおどり」をして盛り上がるのがクライマックスで、その後お母さんが恋しくなって戻ってくるというストーリーです。

 

 

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