「エレベーターカード」というマジックがあります。
52枚のカードデックをビルに見立て、その厚みの中をターゲットとなるカードが上階に上がったり下階に下がったりします。
カードデックの中を狙い通りの動きをするということに関しては、やや「アンビシャスカード」に似た現象のカードマジックと言えます。
しかし、オリジナルを見たら一目瞭然ですが、アンビシャスカードとは違ったストーリー展開があり、独自にバリエーションが発展していった経緯があります。
選ばれたカードが何度もあがってくるアンビシャスカードは、ダイ・バーノンのプロットでよく知られていて、ここでは区別して使用したいと思います。
「エレベーターカード」のオリジナルはエドワード・マーローが考案した「Penetration」という作品です。以前にご紹介した「カードマジック事典」にも掲載されている名品です。
動画で御覧ください。
日本の二川滋夫先生が「これでもかっ!エレベーター」というバリエーションをかなり以前に発表されていますので、いつか別の機会にご紹介しますね。
さて、ダイソーのマジックコーナーに、このエレベーターカードのタイトルの商品がありました。
マジックグッズを手にとって勉強になるのは、カードテクニックを知らない一般の方に、その現象を再現可能にさせるギミックの工夫です。
現象を動画で御覧ください。
動画を見て、いかがだったでしょうか。
このプロットはアンビシャスカードですね。(ごめんなさい。実はこういうこだわりはある方なんです。)
「アンビシャス」というタイトルが一般的でないと判断した担当の方が、「エレベーター」というタイトルにしたのかも知れません。
けれども、それを差し引いても、100円で可能にしたギミックは素晴らしいと思いました。
以前にもご紹介しましたが、監修はマジックアーティストとして知られる黒崎正博さんです。
アンビシャスカードを世に広めたのは前田知洋さん(もしくはダロー)ですが、セロのアンビシャスカードの動画がありましたので、ご紹介しますね。