カリール・ジブラン(1883-1931)は壮大な詩や絵画を生み出した詩人・画家ですが、なかでも1923年に発表された詩集「預言者」は今でも多くの人に感動と影響を与えていると聞きます。
彼の名言でよく引用されている言葉のひとつ。
相手の本音は
自分に打ち明けたところにではなく、
打ち明けられなかったところにある。
だから、もし相手を
理解しようと思うのなら、
相手が言ったことにではなく、
言わなかったことに耳を傾けなさい。
私はずっと前から「預言者」を読みたいと思っていました。
せっかくなので良い訳はないかと探していたら、「心訳・般若心経 生きて死ぬ智慧」の柳澤桂子さんが「よく生きる智慧」のタイトルで「預言者」の新訳版を出されていたのですね。
さっそく読んでみました。例えば、「理性と情熱について」には、こういう言葉が続きます。
丘の白いポプラの涼しい木陰に座り、
遠くの草原や牧草地の平和と穏やかさを
眺めているときには ― こころのなかでこうつぶやくがいい。
「神は理性のなかに憩う」と。
嵐が来て強い風が森を揺らし、雷や稲妻が雄大な空を占領したら ― 恐れに満ちてこう思うがいい。
「神は情熱のなかで行動する」と。
あなた方は神の創られた天体のなかの一つの息吹であり
神の森の一枚の葉であるから、
あなた方も理性のなかで憩い
情熱のなかで行動しなければならない。
情熱は「持続する熱意」と言う方がいました。私も本当にそうだと思います。
「神は理性のなかに憩う」 そして「神は情熱のなかで行動する」
いつでもワクワクした情熱を持って行動したいですね。