今日は「死の四重奏」という言葉を紹介します。
弦楽四重奏というのは、主に2本のヴァイオリン、1本ずつのヴィオラ、チェロによって構成される合奏形態のことですね。
「死の四重奏」というのは、死に至る疾患へと誘う甘く恐ろしい音楽を奏でるもの。
その4つの楽器とは、「肥満」「高血圧」「脂質異常症」「血糖値が高い(糖尿病)」のことです。
「死の…」という名称は決して大げさではなく、ガン、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中などの死に直結する疾患に進展するリスクが高くなることで知られています。
2000年の文献を紹介します。
How deadly is the “deadly quartet”?: A post-CABG evaluation
J Am Coll Cardiol. 2000;36(4):1159-1165. doi:10.1016/S0735-1097(00)00867-6
この中で「deadly quartet (死の四重奏)」のリスクのうち、1つを持っている人、2つを持っている人、3つ、4つを持っている人の死亡率を比較したグラフがあります。
白い棒グラフは男女の平均、斜線の棒グラフは男性、黒い棒グラフは女性の死亡率を表しています。
四重奏のうち多く持っているほど、死亡リスクが高くなっていきます。
「死の四重奏」になってしまわないように、生活習慣を修正していかなければなりません。
私も含め、多くの方の望みは「ピンピン・コロリ」で一生を終えたいということだと思います。
「死の四重奏」になってしまうと、その願いがまずかないません。
生活習慣のリズムを是正すること。
なかなか難しいのですが、健康長寿を本気で目指してみましょう。
「死の四重奏」が奏でる恐ろしい音楽に耳を傾けてしまわないように。