「嫌われる勇気」

 

昨年、アドラー心理学を世の中に周知させるきっかけとなったベストセラーの「嫌われる勇気」を遅ればせながら読んでみました。

 

嫌われる勇気 – 自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見一郎、古賀史健著

 

興味深く読めましたので、今回は覚え書きとしてまとめてみますね。

 

世界はシンプル、複雑にしているのは自分自身

  • 世界や人生はいつもシンプル、自分が色眼鏡で複雑にとらえているだけ

「原因論」を否定し、「目的論」の立場をとる

  • 自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定する。
  • 過去の原因だけで説明しようとすると決定論に行きついてしまう(原因論の否定)
  • なにかしらの「目的」に沿って生きている(目的論の肯定)
  • ゆえにトラウマを明確に否定。感情に支配されることもない。

人は「自分を変える」ことができる

  • 思考や行動の傾向、世界観、人生観を「ライフスタイル」という言葉で説明
  • 人は「ライフスタイル」を自ら選んでいる
  • 「ライフスタイル」は再び自分で選びなおすことができる。
  • 「いまのライフスタイルをやめる」という決心、勇気が必要

すべての悩みは「対人関係」である

  • 個人だけで完結する悩み、内面の悩みなどというものは存在しない
  • 孤独を感じるのにも、他者を必要とする

「間違った劣等感」と「劣等コンプレックス」を捨てる

  • 劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」
  • 理想に到達できていない自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱く。向上したいと思う状況にいるのが「劣等感」
  • 自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを「劣等コンプレックス」と呼ぶ。「わたしは○○であるから○○できない」など。
  • さらに、あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのを「優越コンプレックス」と呼ぶ。例:権威づけ
  • 健全な劣等感とは他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるもの

承認欲求を否定する

  • 他者から承認を求めることを否定する。われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」
  • 他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」
  • ゆえに人間の承認欲求は否定されなければならない

課題を切り分ける

  • 「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考える。
  • 「自分の課題」と「他者の課題」を分離していく必要がある。そして、「他者の課題」には踏み込まない
  • 「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を呑ませることはできない」
  • 自らが信じる最善の道を選ぶことが「自分の課題」で、その選択を他者がどう評価するかは「他者の課題」

自由とは「他者から嫌われること」

  • すべての人から嫌われないようにする生き方は不自由だし、実質不可能なこと
  • 他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり自由になれない。
  • わざわざ嫌われる、のではなく、嫌われることを恐れずに前に進む

「対人関係」のゴールは「共同体感覚」

  • 「共同体感覚」は他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられること
  • 共同体感覚とは、幸福なる対人関係のあり方を考える、もっとも重要な指標
  • 「共同体」とは、家庭、職場、社会・国家、人類、動植物、無生物、過去、未来など文字通り「すべて」
  • 自己への執着を他者への関心に切り替える

すべての人と「横の関係」を築く

  • 「縦の関係」を否定し、すべての人間関係を「横の関係」にする
  • ほめてはいけないし、叱ってもいけない。ほめたり叱ったりするのは、背後にある目的は操作。
  • 劣等感とは、縦の関係の中から生じてくる意識
  • いちばん大切なのは、他者を「評価」しないこと。
  • 純粋な感謝の言葉をかける。人は、自分には価値があると思えたときだけ、勇気をもてる

ここに存在しているだけで価値がある

  • 他者のことを「行為」のレベルではなく、「存在」のレベルで見ていく。

 

1.自己受容

  • ありのままの自分を受け入れる
  • 「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める
  • 「肯定的なあきらめ」

2.他者信頼

  • 他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけない
  • 裏切る裏切らないは相手の課題。「わたしがどうするか」だけを考えればいい。

3.他者貢献

  • 「仲間」である他者になんらかの働きかけをしていくこと
  • 他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「私」の価値を実感するためにこそ、なされるもの 

 

行動面の目標

  1. 自立すること
  2. 社会と調和して暮らせること

 

この行動を支える心理面の目標

  1. わたしには能力があるという意識
  2. 人々はわたしの仲間である、という意識

 

「幸福とは、貢献感である」

「普通であることの勇気」

 

ざっと覚え書きをしてみました。

まとめてみても、すべてを理解したとは言えないのは自覚しています。もう少し再読して実践してみようと思った本でした。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA