1人暮らしの高齢の女性が娘さんに連れられて受診してきました。
眩暈がするのとお腹が張って気分が悪いために食事が摂れないというのが受診の理由でした。
診察室で身体所見をとりながら、急性腹症などの重篤な疾患が隠れていないのを確認しました。
検査結果の説明をしながら、お薬を処方することを伝えました。
その時、娘さんは
「私が同じことを言っても、こんなに元気にならない。お医者さんの言葉はやっぱりすごいですね。」
と言いました。
いつもその方のそばにいてよく見ている娘さんは、ご自分の見立てで「大丈夫」ということを伝えようとしたようです。
けれども納得しないどころか、どんどん症状が強くなっているような気がして、不安になったので受診させたのでした。
「来た時に比べて笑えるぐらい元気になった。」
医者の使う言葉に責任を持たなければと思う出来事でした。
「勇気づける言葉」というのは、こちらが元気でなければ出せない言葉ですね。
気をつけたいと思います。