「手放す」ということ

今日は、ある方から教えてもらったことを備忘録として。

 

強いエネルギーを持った感情、例えば怒りなどのネガティブな感情は「ラケット感情」となって終わることなく繰り返されることを前にお話しました。

「怒り」を違ったかたちで表現した場合などは、なおさら大元の原因を知らないまま本人の「ラケット感情」の連鎖が続いていくことになります。

イライラ、不機嫌、不満、ぶっきらぼう…。

 

よく経験するように、ネガティブな感情は心から追い払おうとしても簡単にできるものではありません。

怒りの感情をいけないことだと自覚し、振り払おうとすればするほど、さらにぐるぐると嵐のように心の中をめぐっていきます。

抑圧すればするほど、ますます強くなって恨みや復讐心に変わっていきます。

「俺は絶対に許さない。」

「わたしは誰も信じない。」

この言葉は決まり文句のように、心の中で条件反射として繰り返されます。

 

また、ポジティブな感情を最大限に高めたとしても、ネガティブな感情はそのままありつづけます。

気分転換ぐらいにはなるかも知れませんが、ポジティブな感情が中和抗体となってネガティブ感情を消失させることはないのです。

 

 

「何も思わないようにしてください。」

例えば、瞑想の時、それができるでしょうか。

ちょっと普通の人には無理です。

それでは、これはどうでしょう。

「赤い色を思わないようにしてください。」

これも無理ですね。赤い色を思わないようにしようとすると、どうしても赤い色を思わずにはいられないからです。

私たちの思考は「非-赤色」ができないようになっていますし、言い換えれば「非-思考」(思わないようにすること)ができないのです。

 

 

同じように、怒りの感情もそれを思わないようにしようとすればするほど、怒りの感情があふれてくることになります。

では、どうすれば良いのでしょう。

 

怒りの感情が心に浮かんだら、それに抵抗せず、さっと身を引きながら、心の中でありのままに追いかけていくのが良いとされています。

怒りを見つめるもう一つの意識をつくる。

怒りの感情を受け入れ、もしその過程で屈辱感があふれだしてきたらそれも受け入れる。

後から後からあふれ出してきたら、それも心の中で追いかけて行く。

 

十分に受け入れた後に、「怒り」にこんな質問をしてみます。

「私のために何がしたいの?」

「私を何から守ろうとしているの?」

「どんなふうに守ろうとしているの?」

拒絶するのではなく、友だちのように対話を続けてみます。

 

そういうふうに、「手放すこと」を教えてもらいました。

 

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