ジャック・ニコルソン演じるマクマーフィの役割について、深く考えさせられる映画です。
1960年代のアメリカ。
今の精神病院とはまるで違ったシステムの、支配的で閉鎖された空間の患者たち。
そこにあるのは従順さと変化のないことを良しとする繰り返しの日常でした。
詐病をつかって刑務所から逃れてきたマクマーフィは、彼らに人間としての自由な健全さをアピールしていきます。
彼独特の強さと影響力が、周りの人々を変化させていくのです。
具体的には、組織(シンボルとして精神病院の婦長)への反抗や暴力という形になって表れます。
最終的には彼は病院側からロボトミーを施され、正常な反応も人間らしい言葉を発することもできなくなってしまいます。
人格を奪われ生ける屍同然となってしまいました。
彼の姿を見た同僚のチーフは彼の気持ちを慮り、彼を尊厳死(自らの手で窒息死)させるのでした。
この映画のラストは強烈なメッセージ性で観るものに問いかけてきます。
彼の遺していったものは一体なんだったのでしょう。
そして、彼が持っていた影響力の大きさについても考えます。
彼の影響力は、あの閉鎖空間の住人達を変えていきました。
破天荒な言動にもかかわらず、どうして周りの人々を豊かにできたのでしょう?
決して道徳的でない彼が、「献身的である」とさえ思えてしまうのは、とても大切なヒントが隠されている気がします。
いつか原作を読んでみたいと思っている作品のうちの一つです。
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