この映画の評価を知らなかったのですが、ふとしたはずみでビデオを観ました。
「50/50 フィフティ・フィフティ」
2011年のアメリカの映画です。
27歳の主人公が、ある日突然ガンを宣告されます。
タイトルは、彼のガンの5年生存率50%からとったもの。
心優しきどこにでもいる普通の青年アダムが突然にガン患者になります。
恋人は「彼のそばにいる」ことの重圧に負けてしまい、結果的に彼の元を去ってしまいます。
職場の同僚もどう接していいのかわからずに、本人以上にナーバスになっています。
認知症の父親を介護する世話焼きの母親とは、なかなか心を通わすことができません。
そんな中、女性に目がない悪友だけは、いつも通りに接してくれました。
抗ガン剤の副作用に苦しみ、ガン仲間の死に直面するなか、刻々と死の影が忍び寄ってくる事態に彼は冷静さを保つことができなくなります。
けれども、悪友や母親の心情にふと気づくことになり、自分にもある感情を取り戻していきます。
いわゆるガンを宣告された主人公の日常を、デリケートなバランスで軽やかに描いている映画です。
ガン患者を主人公としたコメディ映画と言ってもいいかも知れません。
肩肘はるわけでもなく、ごくありのままに普通の人を描いています。
救われているのは、全編にユーモアとペーソスがちりばめられているからでしょうか。
同じ題材を用いながら、黒澤明監督の「生きる」とは主題がまったく違います。
病気という非日常に追いやられた主人公が、その不条理な状況をできるだけ淡々と日常として過ごしていきます。
主人公を演じたジョセフ・ゴードン=レビットのファンになりました。
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