「もしも自分がいなくなった世界があったとして」
この手の質問は、実は私にとって苦手な部類の問いかけかも知れません。
自分自身に真正面から対峙して、まともな自己評価をしているかというとそうでもないようだからです。
(と知人に指摘されました。)
例えば、他の人が私の代わりをしていれば、もっと事態は好転していたのではないかという思いはどうしてもあります。
(それが違うのだと先出の知人はもどかしそうに言いますが。)
その知人は「その人にしかできないことがあるよ。」と言葉をかけてくれます。
私も同じ意味のアドバイスを時々使いますし、基本的には同意しています。
けれども、世の中が求めているもの、真に求められているものは「人」を選ばないのではないかと思うことがあります。
雨水の流れがやがて川の流れになるように、どうしたって生まれてくるものはあるんじゃないと思っているところがあります。
「必然」に対して、人ひとりの存在なんてちっぽけなもの。
病院勤務医であった時代に、そのような感覚が植え付けられてしまったのかも知れません。
ただ、自分の「夢」と「願い」だけは、ほかの代わりでは嫌だろうなあ。
だから、それだけはブレてないように、生きていたいなあ。
どうして、そういう話になったのかというと、久しぶりにこの映画を観たからです。
「素晴らしき哉 人生!」
映画後半のあらすじを簡単に紹介しますね。
絶望した主人公(ジョージ)は橋の上から身投げをして自殺をしようとしますが
それを使命を帯びたB級天使が助けます。
自暴自棄になったジョージが「この世に生まれなければ良かった」ともらすと、天使は彼の望み通りの世界へと連れて行くのでした。
そこは、ジョージが生まれてこなかった幻の世界。
そこには人の優しさ、いたわりなどなく、人々はお互いを憎しみ合う荒れた世界でした。
ジョージはたまらなくなって思わず「元の世界へ戻してくれ」と叫びます。
ジョージと関わりを持って支えられた人々が、どんな世界をつくってきたか。
つまりはジョージがどんな世界をつくってきたのか。
彼は自分が生きている意味を喜びとともに知るのでした。
名作中の名作です。
内容的には共感して、好きな映画です。
[youtube]http://youtu.be/KZ_OZpb0wIA[/youtube]