「ユマニチュード」については、以前にこのブログで紹介させていただきました。 こちら → 「ユマニチュード」
私はその時からとても関心があり、いつか直にそのお話を聞かせていただきたいと思っていたのですが、こんなに早く実現するとは思っていませんでした。
実は、先の透析医学会で、国立病院機構東京医療センター 総合内科 本田美和子先生の教育講演を拝聴することができたのです。
タイトルが 「後天的に学べる優しさを伝える包括的ケア技術:ユマニチュード」
会場にはたくさんの聴衆がつめかけていて、盛況でした。
言い換えると、日常の現場で多くの人が悩み、どうしたらいいのかその解決の糸口を探っているのだなと思いました。
講演は現場の動画やイラストをふんだんに示してくれて、大変わかりやすく、勉強になりました。
あまりに感動したので、講演後には無礼にも本田先生を会場の出口でつかまえて、自分の名刺を押し付けてしまいました。
偶然だったのですが、実は今度の8月に講演で招かれて沖縄に訪れる予定があるのだとおっしゃっていました。
これにはクリニックのスタッフと一緒に是非参加したいと思います。
お話したときに、先生にこの「ユマニチュード入門」を紹介していただいたので、学会から帰ってさっそく購入しました。
私が思うに、おそらく医療の最前線にいるスタッフは、この技法を「真新しいもの」としてはとらえないのではないかと思います。
先生は、そのことをこの本の帯で端的に表していました。
この本には常識しか書かれていません。
しかし、常識を徹底させると革命になります。
ユマニチュードは、技法だけに頼るのではなく、通奏低音として流れる「理念」が大切なのだと思います。
「理念」が一致していますから、それは哲学とも言えますし、ケアにも一貫性が出てきます。
ケアの質も、個人の特性に依存することはありません。
困難な場面に遭遇すれば「ユマニチュード」に立ち還ればよいわけです。
以下の文は序文から
さまざまな機能が低下して他者に依存しなければならない状況になったとしても、最期の日まで尊厳をもって暮らし、その生涯を通じて“人間らしい”存在であり続けることを支えるために、ケアを行う人々がケアの対象者に「あなたのことを、わたしは大切に思っています」というメッセージを常に発信する―つまりその人の“人間らしさ”を尊重し続ける状況こそがユマニチュードの状態であると、イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティは1995年に定義づけました。これが哲学としてのユマニチュードの誕生です。
じっくり読んで、実践していきたいと思います。