今回の学会出張の読書のおともは「下町ロケット」でした。
実は家にテレビがないので、テレビドラマの「半沢直樹シリーズ」もほとんど見たことがなく
池井戸 潤氏が同じ作者だということは知りませんでした。
高校生の息子に「これ、面白いよ」と読みかけの「下町ロケット」の表紙を見せると
「半沢直樹を書いた人?」という答えがすぐに返ってきたので、有名だったのですね。
裏表紙の紹介文です。
「お前には夢があるのか? オレにはある」
研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。
圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。
特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた―。
スピード感がありますし、モノづくりの現場での夢と誇りがあふれている小説です。
いくつもの難局に当たったとき、佃社長は「働くとは?」「生きるとは?」と自問しながら自らの道を選択していきます。
その価値観は不安感に揺れたりしていますが、振り返ると確固たるポリシーとして一貫しているのがわかります。
何を価値観におくのか?
全てを捨てても、最後に残しておきたいのは何なのか?
参考にしたい小説でした。
今までいろいろな人から薦められた本でしたが、私からもお薦めの本です。