言葉の世界と救い

素晴らしい本に出会いました。

 

ランドセル俳人の五・七・五

いじめられ行きたし行けぬ春の雨―11歳、不登校の少年。生きる希望は俳句を詠むこと。小林凛 著

 

 

 

次の文は出版社からのコメントです。(アマゾンに掲載されていたものです。)

 

出版社からのコメント

八歳で「朝日俳壇」に作品が掲載され、多くの読者を驚かせた少年・小林凜。

彼は生まれた時、たったの944gだった。

奇跡的に命が助かり、成長した彼は、その小ささから小学校入学とともに、壮絶ないじめに遭う。

いじめを見て見ぬふりをする学校。命の危険すら感じた母は、息子を学校に行かせないことに決めた。

不登校の日々、少年の心を救ったのは俳句をつくるということ

 ― 五・七・五に込められた少年の孤独、優しさ、季節のうつろい、世の不条理。

 

 

 

そして、本書中のまえがきに相当する小林凛君の文。

 

 

 

「俳句への挑戦」

 

この日本には、いじめられている人がたくさんいる。

僕もその中の一人だ。いじめは一年生から始まった。

からかわれ、殴られ、蹴られ、時には「消えろ、クズ! 」とののしられた。それが小5まで続いた。

僕は生まれる時、小さく生まれた。

「ふつうの赤ちゃんの半分もなかったんだよ、1キロもなかったんだよ」とお母さんは思い出すように言う。

だから、いじめっ子の絶好の標的になった。危険ないじめを受けるたびに、不登校になってしまった。

そんな時、毎日のように野山に出て、俳句を作った。

 

「冬蜘蛛が糸にからまる受難かな」

 

これは、僕が八歳の時の句だ。

 

「紅葉で神が染めたる天地かな」

 

この句は、僕のお気に入りだ。

僕は、学校に行きたいけど行けない状況の中で、家にいて安らぎの時間を過ごす間に、たくさんの俳句を詠んだ。

僕を支えてくれたのは、俳句だった。不登校は無駄ではなかったのだ。

いじめから自分を遠ざけた時期にできた句は、三百句を超えている。

今、僕は、俳句があるから、いじめと闘えている。

 

― 小林凜

 

この俳句集について、文字通り私は何も言えません。

ただ黙って動きを止めて、何度も読み返していました。

 

 

いつものようにしたり顔で論ずることもできない句集です。

 

 

いろいろなことを彼に教えてもらいました。

 

 

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