今日はギリシア神話ネタです。
以前にも書きましたが、私はギリシア神話が大好きで、神話をもとに幻想にも浸りますし、それを題材にした小説や映画なども大好きです。
今日はベガサスのお話。
本来なら午(うま)年を迎えた年初にお話した方がタイミングとしては良かったのでしょうね。
だけど、内容的には今ごろが良いのかも知れません。
天馬(ペガサス)、ギリシア名はペガソスです。
ペガソスは名だたる英雄たちを天空高く運び、飛翔する姿も優美で幸運のシンボルとしてとらえている方も多いのではないでしょうか。
ただしペガソスの生まれは、そうたやすくはありません。
ペガサスの母親はギリシア神話の怪物の中でもひときわ異彩を放っているゴルゴン、悪名高きメデューサなのです。
ゴルゴンは三姉妹で、ステンノ、エウリュアレ、そして末妹がメデューサ。
頭髪は一本一本がのたうちまわる蛇で、キバが生え、青銅の手を持っていました。
そして、何より恐ろしかったのは、その顔を見た者をすべて石に変える能力を持っていたということです。
その能力は神々に対しても有効であったため、誰も恐れて近づこうとはしませんでした。
ところが、海神ポセイドンだけは違っていました。
何をどうトチ狂ったのか、メデューサを気に入り、彼女との間に子供をもうけるのです。
(ポセイドンすごい!)
母の胎内で月が満ち、英雄ペルセウスがメデューサの首を切り落とした時
その鮮血が飛び散るのを待っていたかのように、ペガソスは地上に生まれ出でました。
実はペガソスは双子の兄弟(クリュサオル)がいるのですが、クリュサオル自身についてはほとんど伝承が残っていないそうです。
ペガソスは母親の首を切り落としたペルセウスを乗せて、オリュンポスに飛んでいきます。
そしてペルセウスの父であるゼウスの持ち馬となり、ゼウスの雷光を運ぶ役目を担うようになります。
また英雄ベレロフォンのキマイラ退治の時には、ペガソスはベレロフォンとともに空を駆けて苦もなく怪物を倒しました。
その後、ベレロフォンは驕り高ぶるようになり、神に不遜を働くようになります。
ベレロフォンがペガソスに乗って神のもとへとめざした時、彼のことを許さないゼウスは一匹の虻(あぶ)を放ちました。
虻にさされたペガソスは暴れ、ベレロフォンを振り落としてしまうのです。
ペガソスは一度絶頂へと運びながら、奈落へと落とす魔性の馬としての一面も持ち合わせているのでした。