咳止めと便秘

 

最近は「咳が止まらない」という訴えの患者さんが多く受診するようになってきました。

季節の変わり目に、やはり体調を崩してしまう方が多いように感じます。

「一番きついのは何ですか。」

「この咳をとにかく何とかしてほしいです。」

痰はさほどでもなくても、一度咳をしだすと発作的にずっと続く咳はきついものです。

中には夜中に咳が出始めて、睡眠を妨げることもあります。

十分な休養がとれないのは、体調をさらに崩してしまいます。

 

長く続く咳は、その原因を突き止めなければなりません。

症状は大切な病気のサインですから、ただ単に症状にふたをするようなことはしません。

肺炎はもちろん、肺結核など見落としたくない病気もあります。

大きな病気がないことを前提に、症状をやわらげる方法を探ります。

 

痰が多くからむのでしたら、去痰薬の方が良いことがあります。

気道粘膜にこびりついた固い痰を、柔らかくして出しやすくしてくれます。

それだけで楽になることがあります。

 

そうでない時は、積極的に咳止めを処方します。

咳が続くだけで体力を消耗しますし、十分に休養をとってもらうのが目的です。

 

咳止めの副作用を理解してほしいと、診察の時に少し時間をとって説明しています。

代表的な咳止めは「リン酸コデイン」という成分が含まれているものが多いです。

これは延髄にある咳嗽中枢に作用して咳反射を抑えてくれる成分です。

ところが、その成分は腸管の動きも止めてしまうのです。

 

咳止めを飲んで、時にお腹がはったり便秘になったりするのは、そういう理由があります。

「お腹の調子まで悪くなってしまった。」と、誤解してあわてることがないように

用法用量を守って内服してくださいね。

 

 

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