人の注意力を操ることを「ミスディレクション」と言います。
直訳は「誤誘導」
人々の注意力と思い込みを誤った方向に導いていくことです。
基本原則は「人はひとつのものにしか集中できない」ということ。
そして、「人の目は動くものを追いかける」という習性があり、それはよく利用されます。
例えば、何か(コインとか)を持った手をさしだして見せます。
人は疑いもなくその方に顔を向けます。
注意をその手にひきつけた瞬間に、別のところで「ひと仕事」をしてしまうのです。
もうひとつのやり方は、マジシャン自身の視線をコントロールすることです。
マジシャンの手元から視線をそらせたいときは、その人に話しかけながら相手の顔をまっすぐに見つめます。
相手もマジシャンの目を見返すでしょう。
その瞬間、その人の視線はそれてしまいます。
「人は演じている人の視線を追いかける」という習性を利用したものです。
パントマイムのような芝居ができれば、最高ですね。
けれども、本当のパントマイムのように大げさになってはいけません。
ダイ・バーノン曰く 「Be natural !」
自然にふるまうことが大切だと言っています。
などと、長い前置きをしたうえで。
アポロ・ロビンスというマジシャン(スリ師?)をご紹介します。
ミスディレクションの天才です。
TED global の映像をご覧ください。
おそらく、動画を見た後でも気づかなかった人もいらっしゃると思うのでネタばらしのようなことをしますね。
(本当は自分で気づいた方が驚きも大きいと思うので、以下の文は見終わった後に読むことをおすすめします。)
(注意:以下はネタばらし?)
エンディングでアポロが観客に向けた質問です。
「さて、先ほどと同じ質問をしましょう。でも、今度は目を閉じなくていいです。私の服装は?」
映像を巻き戻して確認してみたくなりますね(笑)