「生きる勇気と癒す力」

 

思うところがあり、購入しました。

生きる勇気と癒す力―性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック 

エレン・バス、 ローラ・デイビス(共著)、原美奈子、二見れい子 (共訳)

 

 

武蔵野大学教授 精神科医 小西聖子氏の「新装改訂版発刊にあたって」の言葉をそのままお借りします。

 

性的虐待を受けた人たちが苦痛に感じていること、困惑していることを、当事者の立場から具体的に考え、対処する。エンパワーする。

当事者にとって本当に頼りになる ― それがこの本の一番の特徴だろう。

(略)

性的虐待の被害が、人が生きる基盤として必要とすることをどんなに手ひどく奪い去るか、

また人はそこから自分の力をどのように認め、どのように回復していくのかということをこの本は示している。

傷ついた人が一歩を踏み出すのは大変な勇気のいることだ。

自分が生きていくためにだけでも、大きな勇気を必要とする。

 

ページをめくる勇気までは出てこないときには、本を持っているだけでもいいかもしれない。

本はいつでも待っていてくれる。

 

この本は一貫して「癒しの道のり」を当事者とともに歩むスタンスをとっています。

何々をすれば癒しが達成され全てが終了するということはありません。苦しみ傷ついた当事者は段階こそ違いますが、ずっと「癒しの過程」を生きていかなければならないといいます。

この本は、そういう当事者(サバイバーと呼んでいます)の同伴者となり、自分を受け入れ、人生に意味を見出し、喜びに満ちた新たな生活を築いていく手助けをするものです。

 

第二章の「癒しのさまざまな段階」が、私には参考になりました。

* 自分を癒す決意

* 第一の危機

* 記憶の糸をたどる

* それは本当に起きたこと

* 沈黙を破る

* 自分のせいではなかった

* 内なる子どもとの対話

* 自分を信頼する

* 喪失を嘆く

* 怒りは癒しの支柱

* 打ち明け、対決すること

* 許しは必要か

* 精神世界―魂の癒し

* 心の決着と前進

 

多くの方におすすめしたい本です。

 

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