「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」 ジュリア キャメロン著
著者は「私は、どうすれば創造性を妨げている障害を取り除けるか人々に教える運命にある」と、突然悟ったのだと言います。
アーティストである彼女は、アーティストの道が「神秘的な融合体験」からくるものだと主張しますが
理論的・概念的な話よりも実践を大切にする立場です。
この本の中のワークの基本ツールは2つです。
モーニング・ページ
アーティスト・デート
特にモーニング・ページは、私が以前に紹介した『筆記療法』に近いものかも知れません。
モーニング・ページのやり方は
ノート3ページほどに、意識の流れのままにありのままに書きつづる。
著者は「脳の排水」と呼んでいます。
ですから、ただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのまま書き留めていく。
卑劣なこと、愚かなこと、ばかげたこと、奇妙なこと、どんなことでもかまわない。
誰にも読ませず、自分自身も最初の8週間ほどは、読み返さないようにする。
このモーニング・ページには、論理脳をいったん停止させ、アーティスト脳を自由にふるまわせる効果があると言います。
「モーニング・ページは私たちの内的世界の地図を描き出す。地図がなければ、私たちの夢は未開の地にとどまっているかも知れない。だが、モーニング・ページを用いれば、洞察の光は発展的な変化を引き起こす力と結びつく。そうなると、建設的な行動をとろうとせずに、一つの状況について毎朝何か月も、ただ不平ばかり言っているのは非常に難しいことだ。」
「目標を描きだしてごらんなさい」と言われて、はたとその思考が停止してしまった経験を持つ人は、実は多いのではないでしょうか。(そういう私がそうです。)
「夢を実現する方法を教えてあげます。あなたの夢を教えてください。」と言われて、「え?夢ですか…」と夢を持つことが夢…だなんて変なぐるぐるを心の中でしてしまっている人もいます。
「何に向いているのか」という自己分析ツールが人気なのは、目標や夢を見失っている人が多いことを示しているのではないでしょうか。
情報の氾濫の中で、人は本当に自分がやりたいことさえも混乱してしまっている気がします。
著者は、モーニング・ページは自分が何を考え、何を必要としているかを知らせてくれるツールなのだと言います。
自分がどんなことに関心を持っているかを知ることができるのだとも。
やってみようかなと思って、実はこの間から始めてみています。
毎日続くかわかりませんが、「創造性」という言葉に強く惹かれるからです。