昨日、11月24日に第46回九州人工透析研究会が沖縄コンベンションセンターで開催されました。
メインテーマが「超高齢社会の透析療法」
数多くの問題を含むテーマです。
大会長 琉球大学井関邦敏先生の大会長挨拶の言葉をそのままお借りします。
「年々導入患者の平均年齢が上昇し、90歳以上で導入される患者もめずらしくありません。
通院支援、介護など透析療法を取り巻く環境は複雑化し、患者・家族との良好なコミュニケーションが求められています。
医療従事者への要望、負担は増大する一方です。
本研究会への出席を機に日常業務の参考とされることを期待します。」
具体的には札幌北クリニック 大平整爾先生の特別企画
「維持血液透析療法の開始と継続に関する意思決定
プロセスについての提言(日本透析医学会):その発議と討論の過程」
以下は抄録から。
日本人の倫理的判断に影響を与える要因を、宗教学者のカール・ベッカーは6つ挙げているそうです。
(1)自立に対する相互依存の優位
(2)平等に対するヒエラルキーの優位
(3)権利に対する義務の優位
(4)自己に対する他者の優位
(5)対立に対する協調の優位
(6)変化に対する安定の優位
なるほどと思うところが多いです。
そして、医療の神髄として大平先生があげた言葉に共感し、胸に響きました。
「私どもは時に治療を差し控えることはあるが、決してケアを差し控えることはない。」
「最善を望み、同時に、最悪に備えよ。」
「人がどのように死ぬかは、残された者の記憶の中に留まる。」
また、ランチョン・セミナーでは
2週間前の長時間透析研究会の大会長を見事に務め上げた長崎県前田医院の前田兼徳先生の講演「長時間透析」を聴講しました。
研究会の熱気をそのままに、会場には溢れるほどの聴衆が押し寄せていました。
前田先生の「ムーブメントを呼び起こす力」はさすがというほかありません。
その場にも熱い風が吹いたように感じました。
先生の言葉を借りれば「パンドラの箱」を、皆が開けたくなってうずうずするような感覚でしょうか。
長崎ではご挨拶できなかったのですが、今回は個人的にもきちんと名刺をお渡しすることができてよかったです。
また佐賀県の前田病院の前田篤宏先生にも個人的にご挨拶ができました。
私たちクリニックがオーバーナイト透析をスタートさせたことをすでにご存知で、どこまで謙虚な先生なんだろうと、さわやかな印象を受けました。
ご縁ができたことが嬉しかったです。
いつかお二人を改めてお呼びする機会を設けて、沖縄で講演会の場をつくりたいという思いを強くしました。