中学の頃、ムツゴロウさんの本にどっぷりと浸かっていました。
ちょうど文藝春秋社から「畑正憲作品集」が出た時期で、それを毎巻買い揃えながら、ムツゴロウさんの文章に浸りきっていました。
そもそもが学校の図書館に「ムツゴロウの絵本2 ヒグマの巻」があって、それを偶然に手にしたのがきっかけでした。
夢と理想を実現するために北海道の無人島「嶮暮帰島」に移住してヒグマの子と暮らしたり
世に知れた「動物王国」を建国したり。
佐久田少年にとって、ムツさんの生き様は衝撃的で憧憬の的だったのです。
やることなすこと生命力に溢れていましたし、損やリスクを承知で飛び込む潔さにしびれました。
この間、実家に帰った時に自分の部屋の本棚にあった「畑正憲作品集」を全部運んできて院長室の本棚に並べました。
ぱらぱらと本をめくりながら、ふと我に返って
「俺ってもしかして今もムツさんの真似してるのかなあ。」
中学時代に抱いた憧れが、ずっと続いているのかも知れないと気づいたのです。
それもまんざらでもないなと思いながら、ひとり笑っていました。
何を真似してるのかはもちろん恥ずかしくて言えませんが。