「医師が1人で診る適正な透析患者数について」  文献から

 

透析医としては、考えさせられる論文が発表されていました。

 

腎臓内科医が担当する血液透析患者数とその治療成績について(都市部における調査)

Nephrologist Caseload and Hemodialysis Patient Survival in an Urban Cohort

Harley KT, et al. J Am Soc Nephrol. 2013 Aug 8.

 

アメリカのカリフォルニア州都市部の調査です。

2001年から2007年までの間、腎臓専門医41人の治療を受けている透析患者さんについて調べました。

 

今回の研究は、医師が担当している患者数とその透析治療成績を、生存率で評価しました。

 

調査では、医師が1人で担当している患者数は50人から200人の幅があったようです。

 

それで担当患者数が少ない医師の方が、治療成績が有意に良かったらしいのです。

担当する患者が50人増えるごとに、患者の死亡リスクが2%高まったとも言っています。

 

この研究では、「なぜそうなのか」や「因果関係」については言及していません。

 

ただし、「医師が担当する患者数には適正な比率が存在する」という問題提議をしてくれたのだと思います。

それは医師だけでなく、透析スタッフの適正な配置数にも言えることでしょう。

 

それにしても、1人で200人の患者さんを診ているドクターがいるというのはすごいですね。

ドクターの複数担当制を敷いている施設が多いとは思うのですが。

 

 

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