「風立ちぬ」

 

「風立ちぬ」を観てきました。

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「大人のジブリ」と呼ばれているだけあって、観終わったあと、

なるほど世の中にこの映画に対する賛否両論が巻き起こっている理由がなんとなく分かった気がしました。

 

私としては「美しい夢」をひたすらに追い求めるため

理不尽ともいえる運命の全てを受け入れた主人公の覚悟と

彼の覚悟に自分の夢を託していく人たちとの絆の物語のように思いました。

 

菜穂子が立ち去る際、黒川夫人が「きれいなまま去ったのね」という言葉など

「美しいもの」

という存在が、映画の中で繰り返し出てきます。

 

しかし、「美しいもの」を求めていくほど、望む望まないに関わらず犠牲にしなければならないものがあり

それは美しい飛行機ほど戦争で殺戮兵器として使用されてしまうという矛盾とも重なっています。

「僕はただ美しい飛行機をつくりたいだけなんだ。」

 

運命を受け入れて、生きてみようと決心したときの覚悟。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」

(風が吹いた。生きねばならない。)

 

 

いつものジブリ映画を普通に鑑賞するつもりで出かけていったのが

宮崎駿監督の覚悟をいきなり突きつけられた感じがして

やはり監督のことが心配になりました。

「自分が美しいと思うもの、描きたいと思うものを断固として描く。」

人は、その覚悟をどのタイミングで表明するものなのでしょうか。

 

 

追記;

実は、先に映画を観てきたクリニックのスタッフから

「二郎を見ていたら、先生にちょっと似てるなと思いました。」と言われていました。

もちろん「顔は似てませんけど」とつけ足しで。

「え?どこが?」と聞くと「ネタばれになるから、あまり言いませんけど…」と言いながら

「ぼくは牛は好きだ」と言うようなところ、ですと。

映画でそのシーンになり、「そこ?」

危うく椅子からずれ落ちそうになりました(笑)

 

 

 

 

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