私に限らず、カーディシャンに憧れてマジックを始めようとした人間は
「カードマジック事典」を買ってしまったかも知れません。
今ほどDVDやYoutubeで動画を確認できる時代ではない、と言っても
ほんの?数年ほど前ですが、この本を手にした初心者の佐久田は、しばらく無言のまま固まってしまっていました。
名著とも呼ばれていて有名な書籍なのですが、私には力不足で、そこに連なる文章が頭の中で映像として浮かんでこなかったのです。
例えば、有名なビル・サイモンのエレベーター・カードの現象の説明がこんな感じです。
◆現象
ハートA~3がデックの中を上下する。もう一度ハートA~3をテーブルに並べ、デックを3分してそれぞれにのせると、各々各パケットのトップへ移る。
素直に思い直して「ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ」を追加で注文しました。
でも、何かマジック関連の調べものをしたいと思ったときには、役に立つことが多いです。
それこそ「事典」といえるのでしょう。
ただし、索引がついていないので、ネットで有志の方がつくった索引ページをプリントアウトして使うようにしていました。
その私が「カードマジック事典」を買っていて良かったと思ったことがありました。
ふじいあきらさんのDVD「ふじいあきらのカードマジック事典アンソロジー」を手にした時です。
アンソロジーというのは、ある基準で作品を選び集めたという意味です。
つまり、ふじいあきらさんが「カードマジック事典」の中から選んだマジックを演技・解説するというものでした。
次の10のマジックを演じてくれています。
「ライジングカード」
「カットして当てるカード」
「ストップカード」
「トライアンフ」
「Do as I do」
「ポケットに通うカード」
「封筒の中のカード」
「色の変わるデック」
「アンビシャスカード」
「デックの消失」
そして、DVDを観て、改めて本を開いてみました。
「やっぱり名著だ…。」
何にでも通じることでしょうが、未熟な人間は本物の値打ちを知ることができなかったのですね。
それを知ることができたのは幸運でした。
ふじいあきらさんに感謝しました。