この本は、私が尊敬する馬淵茂樹先生が院長を勤める東京トータルライフクリニックが出版したものです。
ご縁があって、前身の本郷内科の時代にクリニックの診療を見学させていただいて、大変感動したものでした。
100歳まで元気! 予測・予防医療のススメ 東京トータルライフクリニック編
(その分野に詳しいスタッフが章ごとに執筆しています。)
この本には、「予測・予防医療」や「主導権医療」というあまりポピュラーではない言葉が出てきます。
特に、「主導権医療」という言葉の説明は目からうろこでした。
「医師が治療の全権を掌握している」という誤った信念を捨てて、主導権を患者さんにお返しすること。
感嘆したのは、それを実践するために「経過観察しましょう。」という言葉を禁句にしたことでした。
日々の診療の中で、どんなに「様子をみてみましょう。」という言葉を多くつかっているか。
医師は薬を変えたり、もしかしたら治療方針やアプローチの仕方を変えたのかも知れません。
けれども「様子をみてみましょう。」の一言で、
患者さんは「次の外来の日まで待ってみる。」(放っておく)と思ってしまうかも知れません。
日々の生活でやることはたくさんあるにも関わらずです。
禁句にしたことで、その時に何が起こったのか。
非常に興味深いお話でした。
健康長寿を目指すすべての人々におススメの1冊です。