前回の出張の機上のおともは、ジェフリー・ディーヴァーの「追撃の森」でした。
ジェフリー・ディーバーといえば、リンカーン・ライムやキャサリン・ダンス、ジョン・ぺラムなどを主人公とするシリーズものが代名詞ですね。
けれどもノンシリーズ作品と呼ばれているものがあり、登場人物の扱いがシリーズではありえないように展開されるので、かなりしびれます。
読者はいつものように例え悪役であろうとも、感情移入し(ちょうどウォッチ・メーカーのように)ファンになってしまっているのですが
ノンシリーズ作品では、あっさりと終焉を迎えたりもします。
あまりにあっさりとしすぎているので、いつものように何かウラがあるのではないかと勘繰るほどです。
シリーズものだと主役級であればあるほどいなくなるわけにはいきません。
次回作にもそのキャラを立てて活躍してほしい。
読者はそう期待してしまいます。
それがノンシリーズでは何度も再登場できるようなキャラクターではないのです。
ある特殊状況下であるからこその行動。
登場人物が特殊な能力者ではないということに気づかされます。
この作品の舞台は、誰もいない奥深い夜の森。
2人の殺し屋とその魔手から逃れようとする2人の女性の死闘を描いています。
もちろん、ディーバー作品特有のどんでん返しに次ぐどんでん返しの連続というのは言うまでもありません。
読者はいつも欺かれ、けれどもそれはいつでも嬉しい驚きなのです。