「人が何に幸せを感じるか」
これを明らかにしようとしたのが心理学者のマズローです。
有名な欲求5段説として知られているものです。
人は何によって動くのか。
人が成長する過程で満たされる欲求の段階を表しています。
精神的な成長の過程の説明といっても良いでしょう。
それを理解するのは、自他ともに「人」というものを振り返るのにとても役立つと思います。
「生理的欲求」というのは、もちろん人が生きていくための基本的な最低限の欲求です。
食事や睡眠など、生存に関わる欲求です。
次のステップは「安全の欲求」
健康状態や生活、経済性など、危険から身を守ることへの欲求です。
その次は「社会的欲求」
家族、学校、会社など、何らかの組織に帰属していたいという欲求です。
「自我欲求」というのは、誰かに認められたいという欲求。
他人からの賞賛を求める欲求です。
最後にくるのが「自己実現の欲求」
自我の欲求と違って、無償であることが特徴です。
自分はどこからきてどこへいく者なのか。
自分の能力をいかんなく発揮し、あるべき自分の姿を実現したいとする欲求です。
人というのは不思議なものです。
この欲求レベルは一度決まったら固定されるものではないと思うのです。
まるで、これが同一人物なのかという動きをします。
ある時、ある状況では「自己実現の欲求」のレベルでチャレンジしているのに
別の場所では「社会的欲求」が全面に出て輪をつくりグループの中で安心しようとします。
先ほどピラミッドの頂を目指す精神的な成長のようだという言い方をしましたが
自分が、今どこの欲求レベルにいるのかという自問は、とても大切な振り返りになると思うのです。
自戒をこめて。