「女子中学生の小さな大発見」

クリニックの師長さんから

「とにかく面白い。癒される。」

おすすめされて読んでみました。

「女子中学生の小さな大発見」  清 邦彦 (著) (新潮文庫)

 

 

読後の感想どころか、読みはじめて、最初の4行で大笑いです。

これは面白い!

 

 

編著者の清 邦彦先生は静岡市の中学校の理科の先生。

タイトル通り、女子中学生の理科に関する研究レポート集ではあるのですが

ほとんどが2,3行で終わる手軽なレポートです。

その内容が、素朴な疑問や、ユーモラスな実験や、びっくりするような発見に満ちているのです。

 

例えば

●Tさんは妹の鼻に栓をし、目かくしをして、舌の上にソース、ポン酢、レモン汁などを乗せ、

味は舌だけでなく目で見たり鼻でかいだりしてわかるものだということを調べました。

ワサビを乗せたら怒っていました。

 

●Mさんがコーラの入ったコップに魚の骨を入れておいたら2日目にふにゃふにゃ、3日目にはくにゃくにゃで曲がりました。

 

●Wさんは、人は走ると頭の回転が悪くなると聞いたので、走る前とあとで掛け算の問題をやってみたら、やっぱり走ったあとの方が間違えていました。

 

●Hさんはリンゴが変色して茶色くなる実験をしました。

すりおろしリンゴ汁はすぐ茶色になるのに、売っているリンゴジュースは茶色にならないという不思議なことに気がつきました。

 

 

清先生は、まえがきでこういうことを言っています。

 

予想とおりにならなかったのは、失敗ではなく成功です。

何も変わらなかったのは、「変わらない」ことを発見したのです。

本と同じ結果にならなくても、それは気づかないところで条件が違っていたからであって、

自分のやったことも正しい結果です。

たまに本が間違っていることだってあります。

考え方がおかしいと言われても、「自分はそう考えた」というのは正しい事実です。

 

「なぜなんだろう」と素朴に思うことは、世の中に対してとても生き生きとしていることなんだと思います。

世界に対して関心や好奇心で接している心は、うらやましいぐらいにとても輝きに満ちていると思います。

そういう感性に触れて、私も生き生きとしてみたくなりました。

 

 

 

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