ラジオを聴いていたら、ほろっとくる放送がありました。
少し長めのお話だったので、番組の一部だったかキャンペーンCMだったのかは、最後までわかりませんでしたが。
幼い頃の回想です。
働いている母親が仕事から帰ってくると、毎晩、自分の寝室をのぞいてくれるのだそうです。
そして、掛け布団をかけ直してくれることが嬉しくて
寒い思いをしてでも、わざと掛け布団をずらして準備をしておくのだというお話でした。
ずっと後になって、母親とその話をしたときに
「どんなに疲れて帰ってきても、あなたの寝顔を見たら疲れがなくなったものよ。」
たぬき寝入りをしていたことも、承知していたというお話です。
こういう経験って、自分だけじゃなかったんだと、ふっと笑みがこぼれました。
たぬき寝入りというのは、もちろんウソ寝のことです。
なんとなくずるそうなイメージもありますが
子どもは親の愛情を受けたくて、寝たふりをするものですね。
私も幼稚園に入る前の頃、遠出した後に、自宅に戻るバスの中で
家が近くなったなと思ったら、眠くもないのに寝たふりをした覚えがあります。
バス停から、父におんぶしてもらうことが楽しみなのでした。
父は、私の下手なたぬき寝入りを見破っていたと思うのですが
背中の私に、語りかけながら、おんぶしてくれていました。
自分の子どもが、たぬき寝入りする時期はもう過ぎてしまいましたが
その気持ちがわかるだけに、幸せな気持ちになるのですよね。
子ども達のたぬき寝入りって、
どうしてこうもう親心をくすぐるのでしょう。