5月25日に「沖縄ニコチン依存症研究会 学術講演会」に行ってきました。
前半は、ちばなクリニック 健康管理センター医長の清水隆裕先生
「2013年世界禁煙デーのテーマ解説」
というテーマの講演。
後半は予防医療研究所 代表 磯村毅先生の
「fMRIから見たニコチン依存症における脳の変化と心の接点」
という特別講演でした。
どちらも問題提議あり、啓発ありの講演で、非常に勉強になりました。
磯村先生が講演の中でお話された
失楽園仮説
という概念は、非常に面白かったです。
依存することにより、その本人は通常の幸せを感じにくくなるというものです。
それを説明するのに、ギャンブルに依存した人を例えにされていました。
ギャンブルにおぼれる直前には、勝ち得たお金で
当初は家族の笑顔のためにおみやげを買ってくるような人だったとします。
家族の笑顔が、彼への報酬だったわけです。
けれども、彼はだんだんと、家族の笑顔ぐらいでは幸せを感じなくなり、おみやげを買わなくなるらしいのです。
日常の些細な出来事では、幸せを感じない。
つまり、彼は楽園を失ってしまったということを例えて、失楽園仮説と呼びます。
食後にタバコを吸いたがる人が多いのはなぜかということも
この失楽園仮説で説明できるのではないかということでした。
つまり、食後の幸せを感じにくくなってしまっているのではないかということです。
依存症患者は、自分を不思議に思い、失楽園仮説を知りたがっている、
薬(タバコ)を再使用してしまう理由を知ることができれば、
自尊心が解決できるかも知れない。
この言葉が印象的でした。