どういうことだか、説明のしようがないほど、無性に
谷山浩子さんの「ねこの森には帰れない」を聞きたくなるときがあります。
ありえない状況で、ありえないほど薄情(時に残酷)
だけど、妙にポップ。
寂しい詩なんだからしんみりしないととか、少しはしおらしくしないととか
そういった一切を全て超越した歌です。
どこにあるかわからない、深い森に囲まれた「ねこの一族」が幸せに暮らす世界。
(勝手な想像です。)
格調があるのは、宮沢賢治が描く動物の世界にも通じているようです。
ねこの森には帰れない
「ここでいいひとみつけたから」
ねこの森には帰れない
「帰る道だって おぼえてない」
ねこの森には帰れない
「なくした夢はもどらない」
きっとなくしてしまう儚さや、思い出が少しずつうすくなっていく時間の無常さ
だからこそ大切にしたい形にできないものが浮き彫りにされていく。
作者の意図を多く含むような創作メルヘンの世界ですね。