お国柄で、透析の取り組み方に違いがあるのは当然のことですが
面白いと思った文献がありました。
オーストラリア&ニュージーランドのお話です。
以前に、かなり柔軟な考えの先生とお話をしていた時に
そのようなアイディアを披露してもらったことを思い出しました。
もしかしたら、その先生はこのことをおっしゃっていたのかも知れません。
Independent Community House Hemodialysis as a Novel Dialysis Setting: An Observational Cohort Study
Am J Kidney Dis. 2013 Apr;61(4):598-607. doi: 10.1053/
在宅血液透析は、文字通り自宅で行う血液透析のことですが
何らかの理由があって自宅で不可能な場合
血液透析が行えるコミュニティハウスを利用するという考え方です。
共同で利用する家屋に透析をしに訪れるという感じでしょうか。
透析器や浄水器など、設備は複数人とシェアするわけですから
従来の在宅血液透析よりも経済的です。
また普通の透析クリニックなどと何が違うかというと
在宅透析の延長ですから、医療スタッフはいないようです。
ですから、シェアする相手がOKならば、都合の良い時間帯で透析がいくらでもできるということでしょう。
どのようなコミュニティハウスなのかの写真資料がありましたので
リンクをはっておきます。こちら
この文献では、施設透析、腹膜透析、在宅血液透析、そしてコミュニティハウス透析の生存曲線を示して比較しています。
コミュニティハウス透析はほぼ在宅血液透析と同様の成果を示していました。
また、救急センターとホットラインがつなげていたり
安全性を高める工夫も行っているようです。
ひとつのオプションとして、とても面白いと思います。