「100分 de 名著」

 

NHKテレビテキストの「100分de名著」シリーズが好きで

本屋で衝動買いをしてしまいます。

 

 

と言っても、テレビの方は時間が合わないので滅多に観ることはありません。

 

 

550円ほどで、名著のエッセンスを味わうことができますし

その本に関わる第一人者の先生の解説を読むことができます。

 

 

「名著」にとりかかるには、ありがたい、良い入り口です。


ニーチェ『ツァトゥストゥラ』も、そのうちの1冊です。

 

 

哲学者の西 研先生がわかりやすく解説してくれています。

 

(引用ここから)

「すべての『こうあった』を、『私がそう欲した』につくりかえること

 ―これこそわたしが救済と呼びたいものだ」

 

「しかたなしの受容」というのは、みんなわかると思うのですが

「これ〝が〟いい。私はこれを欲する」ということになると

多くの方が「それは無理ではないか」と感じるのではないでしょうか。

 

 

「しかたがない」という言い方は、たしかに受け入れてはいますが

「外から押しつけられた」感を伴っています。

ですから、「もしこれがなかったら」と考えてしまう可能性が残っている。

でも「このこと(障害)が私の生をつくっている」と思えたならば

それは自分の人生の内側を形づくっているものとして受け入れていることになります。

それはもう自分から切り離せる「外からの」ものではない。

苦しみも与えたが悦びをつくり出すきっかけにもなっている。

そう考えるならば、マイナスを含めて自分の人生を肯定できる。

そしてその人生を何度でも繰り返そうと思えるのかもしれません。

(引用ここまで)

 

解説にとどまらず、この著書をどう自分の生活に活かすか

そんな視点で踏み込んでくれているのが素晴らしいのです。

「ニヒリズム」や「ルサンチマン」などの言葉を理解しながら

それをそれだけで終わらせない面白さです。

 

試練は自分の願いが先にあって、生まれるものだということ。

 

 

言葉は理解しがたいかも知れませんが、それが実感できるとき

本当の自分の人生を生きることになるのかも知れません。

 

 

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