facebookで、後輩が投稿した記事で、面白い(?)文献を紹介してもらいました。
これは観相術の一種ということになるのでしょうか。
観相術というのは、そもそも歴史をさかのぼることルネサンスの頃から
手相,人相,骨相などを含めて発展してきたものです。
Male pattern baldness and its association with coronary heart disease: a meta-analysis
BMJ Open 2013;3:e002537 doi:10.1136/bmjopen-2012-002537
男性の脱毛のタイプと冠動脈心疾患リスクの関連を確かめようとする調査です。
ざっと結果を紹介するとこんな感じです。
脱毛のある男性とそうでない人を比べると
冠動脈心疾患のリスクは有意に高まることがわかりました。
(1.32 vs 1.00)
特に、頭頂部の脱毛は、さらにリスクがあることがわかりました。
(1.48 vs 1.00)
けれども、前頭部の脱毛は、妙なことに関連していませんでした。
(1.11 vs 1.00)
この関係性について、筆者らは、頭頂部の脱毛はアテローム性動脈硬化症に関連しているのかも知れないと言っています。
もちろん、結論づけるにはさらなる調査が必要であることは言うまでもありません。
いつも、このような文献を読む時に注意したいのは
「関係」を言っているのですから、それだけをクローズアップしないようにしたいということです。
脱毛 ≒ 心疾患のリスク増える
表面的には確かにこのような「関係」を示しています。
けれども、ちょっと立ち止まって
脱毛
≒ 脱毛を引き起こす生活をしている?
≒ 食生活の影響?
≒ 運動不足?
≒ メタボ?
≒ 心疾患のリスク増える
かも知れないということですね。
この「関係」には、そういう多くの要素が隠れているかも知れないと想像します。
ひょっとすると大事な視点を見落としているかも知れないと思うようにします。