「ホモシステイン」について説明します。
ホモシステインはアミノ酸の一種です。
血液中に蓄積されると動脈硬化を引き起こすことがわかっています。
ホモシステインは、心筋梗塞や脳血管疾患などの危険因子とみなされています。
ホモシステインが悪者と言われている理由を以下に列挙しますね。
・活性酸素がを発生させ酸化ストレスを生じさせます。
・動脈硬化がすすみます。
・血小板の凝集機能異常をおこします。
実は、葉酸やビタミンB6やB12を内服すると、血中のホモシステインが低下することがわかっています。
そのため、このようなサプリメントで心血管疾患リスクが減少すると期待されていました。
2006年にこんな論文が発表されています。
Homocysteine Lowering with Folic Acid and B Vitamins in Vascular Disease
April 13, 2006 The Heart Outcomes Prevention Evaluation (HOPE) 2 Investigators
N Engl J Med 2006; 354:1567-1577
心血管疾患の既往がある40歳以上の女性が対象。
葉酸とビタミンBを内服させると、血中の葉酸値が上昇し、血中ホモシステイン値が低下しました。
しかし、心筋梗塞、脳卒中、血行再建術施行、心血管疾患死は、改善されませんでした。
つまり、今のところいえるのは、ホモシステインの血中レベルは様々な病気と関連しているらしいということぐらいです。
一方、CAVI(キャビィ)というのは、動脈のかたさや動脈の詰まり、血管年齢がわかる検査です。
あお向けに寝た状態で、両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。
時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。(サイト:動脈硬化netより)
さくだ内科クリニックも「動脈硬化症の検査(CAVI検査)と治療ができる医療機関」というサイトに掲載されています。
(ちゃっかり宣伝してしまいました。)
最近発表された論文では、前述のホモシステインとCAVIの値が相関するということを示したものでした。
BMJ Open 2013;3:e002483 doi:10.1136/bmjopen-2012-002483
ホモシステインとCAVIは同様に心血管疾患のリスクを予測することができるという根拠になるのでしょうか。