「仁勢物語」

 

 

修学旅行から帰ってきた娘が

「これ、わかる?」

と見せてくれたものがありました。

 

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ん?伊勢物語?

何か変です。

 

 

おお! ニセ(仁勢)物語 !?

これはすごい。初めて見ました。

 

 

何でも高校の授業で教えてもらったそうです。

言わずもがな、伊勢物語のパロディですね。

 

読みやすいように文字に起こしてみました。

 

 

仁勢物語(第一段)

 

 

をかし、男、頬被りして、奈良の京、春日の里へ、 酒のみに行きけり。

その里にいとなまぐさき魚、はらかといふ有けり。

この男 買ふて見にけり。 

おもほえす、古巾着に、いとはした錢もあらざりければ、心地まどひにけり。

男の着たりける借り着る物を脱ぎて、魚の値にやる。

その男、渋染めの着る物をなむ着たりける。

  春日野の 魚に脱ぎし 借り着物

  酒飲みたれば  寒さ知られず

となむ、またつぎて飲みけり。   

醉ひて、おもしろき事どもや思ひけん。

  道すがら  しどろもぢずり 足元は

  乱れそめにし われ奈良酒に

といふ歌の心ばへなり。  

昔人は、かく、いらちたる飲みやうをなんしける。

 

 

本家本元も是非載せなければなりませんね。対比したら面白いですよ。

 

 

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伊勢物語(第一段)

 

 

昔、男、初冠して 平城の京、春日の里にしるよしして、狩にいにけり。

その里にいとなまめいたる女はらから住みけり。

この男かいまみてけり。

おもほえず、古里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。

男の着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。

その男、忍摺りの狩衣をなむ着たりける。

  春日野の 若紫の すり衣

  しのぶの乱れ かぎり知られず

となむ、をひつぎていひやりける。ついで、おもしろきことどもや思ひけむ。

  みちのくの しのぶもじずり 誰ゆゑに

  乱れそめにし われならなくに

といふ歌の心ばへなり。昔人は、かく、いちはやきみやびをなむしける。

 

 

仁勢物語は作者不詳らしいです。

江戸時代の仮名草紙ということです。

 

 

しかし、このパロディのセンス!

パロディにするには、オリジナルを愛し、知り尽くさなければなりませんね。

 

 

オリジナルをどんなに滑稽にふざけたとしても

伊勢物語は平安時代初期の古典ですから、教養がなければ楽しめないはずです。

 

 

しかも、これは江戸庶民が読んで楽しんでいたとのことですから驚きです。

改めて、江戸の文化はすごい!

 

 

写真は、娘が修学旅行で行った「江戸東京博物館」の

これも源氏物語のパロディ本です。

 

1-genji

 

 

 

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